埼玉県の
一之宮神社と温泉の旅

『氷川神社』の総本社がここにある!

埼玉県はかつて、東京都ほぼ全部と神奈川県の横浜あたりまでをひっくるめて『武蔵国(むさしのくに)』と呼ばれていました。そして、その武蔵国を代表する神社、つまり「武蔵国一之宮」が、ここ埼玉県のさいたま市にあるのです。
そして今現在も「内陸の県」で唯一、「政令指定」されている『さいたま市』。ここは神様にも人間にも居心地の良い、そんな魅力ある土地ということでしょうか。
「都といえば京都」という当時の常識をうち砕いて、江戸幕府、そして東京が生まれていったわけですから、この武蔵の国そのものに、それだけの魅力があったことも確かでしょう。

今回の特選コース

1.氷川女体神社

(ひかわにょたいじんじゃ)「武蔵国一之宮」という社格を持つ神社。その不思議な神社名の由来とは・・・?

2.氷川神社

こちらも「武蔵国一之宮」。関東地方に280社あるといわれる氷川神社の総本社。それらの分社との区別のために
大宮氷川神社」とも言われる。

オススメの宿・
『長生館』

ラインくだりでも有名な「長瀞(ながとろ)渓谷」を一望できる、創業90年の歴史あるお宿。

氷川女体神社

にょ、にょ、にょ、女体(にょたい)神社!?

では、イザッ参りましょう。comoは学生の頃、統○教会というあの有名新興宗教を、熱心に信仰していました(私の場合、その後「神道」と出会ったことで、完全に足を洗うことができたのですが)。そして、当時世間を騒がせた、桜○淳子の合同結婚式にも居合わせた私como。「もしかしてオレが淳子ちゃんの相手に選ばれるんじゃないか・・・ウフフ」などと、妄想を膨らませていたことを思い出します。その式が行なわれたのが、ここ埼玉県だったので、とても印象に残っています。
そのようにcomoにとって大変思い出深いこの埼玉県には、「一之宮神社」がなんと『2つ』もあるのです。「その国の第一位の神社がそもそも『一之宮』のはず・・・。どうしてそれが2つもあるの?」その理由については、後ほどお答えするとして、まずはそのうちの1つの『氷川女体神社』へ向かいましょう。
「女体(にょたい)」神社・・・なんとも艶(なまめ)かしくて、色っぽい響きでしょう。これはもう、セクシーな女体が「ご神体」として祀られているのだろうと、誰もが想像してしまいます・・・(しませんか?笑)。めくるめく妄想を抱き、鼻息を荒らげて(そんな大袈裟な・・・)神社を目指します。
さて、期待に胸を膨らませ、旧浦和市の郊外にある氷川女体神社へやってまいりました。こ、これはなんと・・・!

女体は・・・。え、エエッ〜!?

・・・いたって普通の神社ですね(笑)。
調べてみるとこの「女体」というのは、夫婦の神を男女に分けて祀るという、関東地方の神社に多く見られる特徴の名残りだったのです。元々は、旧・大宮市にある氷川神社を、須佐之男命(すさのおのみこと)を祀る「男体社」、そしてこちらにその妻である奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)を祀り、「女体社」としていたようです。ここの場合、それが時を経て、たまたま固有名詞化してしまったということなのでしょうか。そして、これは先程の「何故『一之宮』が1つの国に2つもあるのか?」という疑問の答えでもあります。要するに大宮の『氷川神社』と、この『氷川女体神社』とは、夫婦神を祀った「2つで1つ」の神社と考えられていたというわけです。
ちなみにこの、スサノオとクシナダヒメの恋物語は、神話の中でも特に有名なので、あなたもきっとご存知のことでしょう。為すすべなく自分の娘を次々と生贄(いけにえ)として、ヤマタノオロチ(頭と尾がそれぞれ8つもあるという化け物)に差し出していた老夫婦が、最後の娘クシナダヒメまでを手放さなければならない、と悲しんでいるところに現れたスサノオは、クシナダヒメを自分の妻として貰うことを条件に、見事オロチを退治するのです。元々手のつけられない荒くれ者であったために高天原(たかまがはら)を追われてしまったスサノオにとっては、まさに「名誉挽回」の一幕でもありました。

何度でもいいましょう。『神は不浄には降らず』

そんなスサノオが一目惚れをしたクシナダヒメをご祭神として祀ったのがこの氷川女体神社です。
でも・・・一体何なのでしょうか。この神社、管理が全然行き届いていないように思えて仕方ありません。ゴミが落ちているのも目に付きます。一抹の不安を感じながら、社務所があるようなので行ってみると、そこではなんと由緒書きを貰うのにもお金を取られ(まず、全国どこの神社へ行っても無料でいただける)、そして御朱印もただのハンコのみ。これにはcomoもア然としてしまいました。

comoだけの話・
『神人合一』って?

仏教をはじめ、世界中の宗教というのは、あくまで「心の修行・開放」等を目的と考えるため、極端な話、不潔だろうが何だろうが、たいして問題にはなりません(むしろ外見にとらわれてはダメだと説かれるのではないでしょうか)。ところが日本人(つまり神道)の発想というのは、何よりもまず「不浄」というものを嫌うのです。神様はいます。でもその神様は、「不潔なところには降りてくることができない」というのが神道の考え方なのです。ですから、たとえ素晴らしい神社であっても、人間が管理を怠れば、たちまち神様が降りたくても降りられないようになってしまう、ということです。
これを難しい言葉で『神人合一』といいます。キリスト教やイスラム教などのように、唯一絶対の神様によって全ての運命が決められるのではなくて、あくまで世界はこの世(つまり人間)とあの世(つまり「神様」)の『合作』であり、双方が影響しあって世界は出来ているのだ、ということです。

この神社の管理者に、一体どんな事情があるのかわかりませんが、それならそれで氏子さん(周辺の住民)が協力してあげるべきなのです。
や、つい偉そうな説教をしてしまいましたが、さっきまで「女体」というフレーズに変な期待を持って浮かれていたcomoです。私自身をしっかり戒めて、さあ、comoと一緒にお参りしましょう。

ご祭神/奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)

「これが御前にお降りませる奇稲田姫命様、日々のお守りありがとうございます。日本の国家・国民をお守りくださいませ。誠に非礼無礼を承知の上で、お願いします。何卒ここの神職および氏子に対し、この神域を本来の作法に乗っ取って神事に勤めるようにお導きください。あくまで神道は神人合一でございます。どうか人間側の責任を人間がしっかりと自覚できますように。
そして奇稲田姫様は、あの須佐之男命様が選ばれた理想の奥様であるとお聞きしております。内助の功の働きをするものたちを、今後もどうかお守りください。」

祓い清めがきちんとなされている神社はなにか、「神様が近い感じ」がします。ここの場合はそれが「遠く」感じました。
私がここを訪れたのは、もう3年くらい前のことなので、現在どのようになっているのかは分かりません。せっかく由緒ある神社なので(ネーミングもいいですしね)、どうか次に訪れたときには、清く・正しく・美しい、そんな氷川女体神社への参拝ができればなあ、と心から思いました。
「神は非礼を受けず、神は不浄に降らず」が、神道における「鉄則」です。あなたも是非これを機会に、自分自身の作法や氏神様の管理などを見直してみてください。

氷川神社

『名前殺し』を阻止せよ!!

では次の氷川神社へ参りましょう。ここも同じく「武蔵国一之宮(むさしのくにいちのみや)」で、先程の女体神社とは、対をなす「男体社」ということになります。関東地方に280社はあるという「氷川神社の総本社」として、規模でいえば、あの「伊勢神宮」クラスといえる程大きな神社です。所在地は「大宮市」・・・じゃなかった、「さいたま市」にあります。
そうそう、平成13年に大宮市は消滅してしまったんですよね。「平成の大合併」で、大宮・浦和・与野の3市をもって誕生した「さいたま市」。人口100万人を超える政令指定都市で、「さいたま副都心」とも言われます。
行政改革をして、日本をより住みやすい国にしていくことも大切だとは思いますが、無闇やたらと「合理化」を追求すればいい、という意識が現代人にあるようで、それは問題であると私は考えます。「名前なんて、その都度変更して何が悪い?そこにどんなデメリットがあるんだ?」と思う人もいると思います。
では「神社」を思い浮かべてください。伊勢神宮にしましょうか。これはもう、悠久の時を越えて、「ずっとそこにある」ということに人間が本能的に価値を見出しているのです。遊園地のようなアトラクションがあるわけでもないし、目新しいものなんて1つとしてない、そこにはただ、「」や「」で出来た鳥居や社があるだけなのに、それこそ呼びもしないのに、日々大量の人間が訪れます。例えばこれを企業なんかが、「全国チェーン伊勢神宮○○県支社オープン」とかいって、全国に次々と同じものを作っていったら果たして、同じように人は集まるでしょうか?・・・結果は目に見えていますよね。
地名とか名前というものも、それと同じだと思います。「合理化」の一言で、何百年・何千年の時を超えてきたものをあっさりと捨てさってしまうことが、いかに日本人にとっての「損益」であるか。少しはご理解いただけましたでしょうか。
この「大宮」という地名は、氷川神社の門前町として大変栄えた『おおいなる宮居(神の鎮座されるところ)』というところからきており、全国的に見ても、とても古い歴史のある地名の1つといえるでしょう。「市」としてはその名を無くしてしまいましたが、是非これからも大切にしていって欲しいと思います。

「そうか!だから出雲神が祀られてるのか。」
comoも思わず納得!

では参りましょう。一ノ鳥居から参道が2キロほど続きます。本来なら歩いていくべきところですが、車道になっているので、そのまま車で行ってしまいます。鳥居をくぐる時は、車内からでも一礼すると良いでしょう。神域に入り、中間の二ノ鳥居もくぐります。駐車場に車を止め、徒歩で三ノ鳥居を一礼して入ると、神域の中心に近づいたことを実感します。朱塗りの欄干の神橋を渡ると、やはり鮮やかな朱色の巨大楼門がぐっと迫ります。それにしても素晴らしいところですね。神社というより、まるで「庭園」のような、そんな印象を受けます。
この神社のご祭神は、須佐之男命(すさのおのみこと)・奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)という『日本書紀』において夫・妻・子という関係として紹介されているの3柱で、なんと「出雲地方の神様」なのです。以前から私は、この関東地方の神社に、何故出雲の神様が祀られているのか、不思議で仕方ありませんでした。調べてみてわかったのは、どうやらこの武蔵国というのは、出雲族によって開拓されたところのようなのです。開拓した武蔵の地に、自分の祖国の出雲神を祀ったということで、実にスッキリ理解することが出来ました。

comoだけの話・
「日本まで一緒にしてくれるな!」

日本でも戦後、マルクス主義が正しいとされ、世界はすべて「支配者」と「被支配者」の関係で成り立っているかのような認識が当たり前のものとなりました。確かに「ほぼ」全世界が、そうであったことは間違いないでしょう。強者が弱者から搾取する、まさに「弱肉強食」 の世界です。・・・ただし世界でたった一箇所、「そうではない」そんな奇跡のような国が存在していたのです。そう、それがこの「日本」なのです。
戦後、おかしくなった日本の歴史学者は、『天孫降臨族(つまり天皇家)』は元々「侵略者」で、出雲族は「侵略された民族である」などということを平気で口にします。
しかし、それでは逆に説明がつかないということが、日本にはワンサカあるのです。武蔵国の神社ご祭神なんて、まさにそのいい例でしょう。開拓したのは出雲族であるとはいえ、あくまでもそれは「天皇」から命令をうけてのことなのです。ところが先程お話した通り、武蔵国の神社には堂々と「出雲の神様」が祀られていますよね。つまりこれは、天皇が「天皇家」の神を祀ることを強制していないどころか、それぞれの神を自由に祀ることを許可していることを意味するのです。これは世界の、それこそ「支配者と被支配者」の関係の常識からすれば、まず絶対に「あり得ない」ことなのです。自身の権威を守るために、拝むべき神を統一・強制するというのは、至極当たり前の行為ですよね。・・・日本って、「スゴイ」でしょう?
ちなみにあの『伊勢神宮』が、天皇家の祖先を祀っているところです。行ったことがある方ならば誰でも感じると思いますが、これが想像するよりはるかに「質素」なんですよね。そして逆に天孫降臨族に「敗れた側」であるはずの出雲族の神様が祀られている神社、「出雲大社」や「諏訪大社」などの方が全然豪華で立派につくられているではありませんか。これです!日本が「支配・被支配」を超えたものを持っていたということが、歴史にはそこかしこに見られるのです。知れば知るほど「日本」といのは、世界に類を見ない素晴らしい国であったことが分かります。

ご祭神/須佐之男命(すさのおのみこと)・
奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)・
大己貴命(おおなむちのみこと)

手と口を清め、拝殿の前に立ちます。主祭神は須佐之男命、奇稲田姫命、大己貴命という、国津神を代表するまさにスーパースターの面々です。ではcomoと一緒にお参りしましょう。
「これが御前に降りませる須佐之男命様、奇稲田姫命様、大己貴命様、日々のお守りありがとうございます。日本の玉体(天皇)、国家、国民をお守りくださいませ。事実上この日本を開拓し、そして天津神に日本の統治を平和的にゆだねられ、さらにその後も天津神と一体となって日本をご守護いただいていることを、心より感謝申し上げます。今日の政治家はただ利権をむさぼり、祭り事(政治)を私物化しております。どうか天下国家のため、国民のためには何をすべきが政治家の天命なのかを自覚できますよう、お導きください。また悪い者は罰せられ、良き者には良き評価が下る、そんな世の中になりますようお力添え下さい。」
3万坪に及ぶ広い境内に一礼をして、氷川神社に別れを告げます。

オススメの宿・『長生館』

長瀞(ながとろ)へGo!!!

本日のお参りはこれにて終了です。本日の宿は長瀞(ながとろ)にある 『長生館』 です。温泉の少ない埼玉においてはなかなかの名湯名旅館です。『じゃらん』でも「ハイクラス」に認定されている、まさに神参りにふさわしい、そんな落ち着いた雰囲気の宿です。
どうぞごゆっくり、おくつろぎください。

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2008年4月1日更新